2015年5月15日金曜日

アンディーの見解

こんにちは、自称オーストラリア政治経済コンサルタントのアンディーです。

今月12日は、オーストラリア政府の国家予算案の発表がありました。前政権が残した50,000,000,000ドルの負債をどう減らしていくかを問われた昨年度の予算案は、あまりにも現実的で厳しい予算になりすぎて、予算を削って借金を減らす必要はあるのだけど、ここまでしなくてもいいんではないのという感じで大変不評でした。国の財政のためには、間違いなく必要な予算案であったのですが、あまりにも厳しすぎて国民がついていけずという感じでした。そのために、政権に対する支持率もかなり傾いた前年度の予算案でありました。しかし、今回の予算案はその点かなり理想と現実の狭間で揺れ動く政府の、前年度の間違いは犯したくないという強い気持ちが感じられる予算案だったと思われます。

前年度の予算案を「現実から目を退けるな予算」と呼ぶとしたら、今年度の予算案は「弱きを助けて強きをくじく予算」と言っていいのではないでしょうか。今回の予算案の主役はオーストラリアの国民でした。オーストラリアの経済の9割近くを占める中小企業への減税、チャイルドケア補助金の増加、年金増加率の維持等、ほとんどの国民が恩恵を受ける格好の予算案となりました。その反面、すっかり悪者扱いされ、今回の予算案で損をするのは外国企業ならびにオーストラリアに住む外国人です。身近な例からすると、今後ワーキングホリデイビザ等で働く場合には税金控除が一切なくなります。そのため、$1でも収入がある場合には課税対象となります。それから、オーストラリアの事業経営で得た所得をオーストラリアで納税せず、本国に持ち帰っていたりした国際企業に関しては、今後はオーストラリアでの納税が必要となるようです。FIRBに関しても、今まで申請費用はチャージされなかったのですが、今後は申請費用が必要となるということです。

我々のビジネスに関連しての話ですと、ビザ申請費用がまたまた上がります。天井知らずですが、選挙権のない外国人からしっかり搾取しろという政府の方針が見受けられます。

国の借金を何とか返そうとするオーストラリア政府の努力は、どこかのまったく返すつもりもない国と比べれば大したものです。オーストラリアの政治を見ていますと若い国として、何とかしてやろうという若さを感じます。オーストラリアはまだまだ魅力的な国ですねえ。



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